ゴールデンウィークが終わり、また、慌しい日常が戻ってきました。
気候の急激な変化の中、小学校では運動会練習、中学では部活の
最終下校時刻が遅くなることで、子供達は５月病など言っていられない
ほど疲れているかも知れません。その中でもしっかりと日米に通って
来てくれている生徒の皆さんには本当に感謝です。我々講師陣は一年で
最も長いお休みを頂き、しっかりと充電致しました。皆さんの頑張りに
しっかりと応えられるように、体力的には一年で最もキツイ時期を、
全力でサポートしていきます。

　さて、このゴールデンウィーク中に訪れた栃木のとある温泉地で個展を
開いていた陶芸家の方とふとしたきっかけでお話しする機会がありました。
その方は福島県の奥地で３０年に渡り、割り竹式という登り窯で作陶されて
いる方です。わずかな時間ではありましたが、非常に示唆に富んだお話しを
頂くことができました。

　「窯の火は一瞬たりとも同じことはない。薪をくべ、五感、ときには
第六感で火を感じ、作品の仕上がりを想像する。その過程は祈りにも
似ている。
　千年以上も昔に作られた焼き物から大きな感動が得られるのは当時の
作り手が窯や火や土、気候等に心を配れる感性や知恵や謙虚さがあり、
神仏のご加護とも言える力あったからなのではないか。当時の人々は
我々からみたら超能力者だったのだ。
　最近は作陶家でも電気窯を使う人もいる。確かに失敗はないかもしれ
ないが、火をみたり、土をみたりする感性は確実に鈍ってしまう。
そこには人の心の奥の奥に届く情感もない・・・」

　最後は現代の「超便利社会」について話しが及び、「ぶつからない車」
などを運転している人々は人間の最も原始的な本能である「自己防衛本能」
さえ手放すことになりはしないだろうか。今後この世の中でいきていく
子供達がおかしなことになりはしないのか、というところで話しは終わりました。

　昨今、塾業界でもタブレットなどのＩＣＴ（情報通信技術）を用いた授業が
話題にのぼります。また、ネット配信などで格安でありながらも質の高い映像
授業を提供する塾なども現れています。確かに、「わかりやすさ」を追求する
なら、そういったものでも十分かも知れません。また、子供達の学力向上の
ために有益な技術は出来る限り取り入れるという姿勢に間違いはありません。

　しかし、「わかりやすさ」のみを追求した結果、子供達が自分の力で気付きを
得る機会が失われることにならないのか。すなわち、子供達の想像力を奪うこと
にならないのか。また、映像などを通じて一方的に与えられたものだけをこなす
だけでは子供達の発信力、今後必要となるコミュニケーション能力を育てることは
できないのではないか。陶芸家の方とのやりとりからそんなことを思ったゴールデン・
ウィークのひと時でした。

　日米の授業は、もちろん生徒の皆さんにとってわかりやすいように努めています。
ただ、「受験を通じた自立支援」という我々の目的に照らして、今後は「想像力」
「発信力」「コミュニケーション能力」を磨くための工夫も益々意識していきます。
具体的にはアクティブラーニング型の指導の充実や更なるコーチングスキルの習得
などが挙げられますが、より詳しい内容については、今月行われる保護者会や来月
からの個人面談などでお話しして参ります。　日米での生徒さんの様子は、学校の
ものとも、ご家庭のものとも違うかも知れません。是非の我々の指導やお子様の
様子を知って頂く上でも、お越し頂ければ幸いです。
　
　保護者の皆様とお会いできることを楽しみにしております。

　今月もよろしくお願い致します。