学校での新年度が始まり、例年同様、沢山の中学部の卒業生達が
真新しい制服に身を包み、日米に来てくれています。本当にこの
時期の彼らはキラキラと輝くような存在です。そんな先輩方の姿を
目にして、やる気に火がついている生徒の皆さんもいると思います。
我々講師達も、彼らの姿を見ると自然と気持ちが高ぶり、燃えてきます。
来春もまた、こんな素敵な風景を作り出せるように頑張っていきましょう！

　さて、ここまでの風景は例年よく見かけるものではありますが、今年は一味
違います。例年にも増して多くの新高１生達が早速自習室で勉強しているのです。
中には公立の前期入試で合格した翌日から、春休みも通じて１日も欠かさず自習室に
来ているという猛者もいます。「入試は通過点に過ぎない」ということを確実に
意識してくれているようです。それに触発されているのか、やはり例年に比べると
多くの新中３生達が授業後も自習室で自学に励んでおり、非常に頼もしく思っています。

　もっとも、今でこそ、そんな風に自習室に来てくれてはいるものの、ある時期までは、
自習はおろか塾に来るのさえ嫌で嫌で仕方がなかったという生徒もいます。それが
受験を終える頃には自らの意志で、極端にいえば、放っておいても、次の目標に
向かって勉強するようになっているのです。「なぜ、今年はこんなことになっているの
だろう？」と考えたときに、ふと思い当ったことの一つが、我々講師達の生徒への
関わり方の変化でした。

　日米は２年前より、日本青少年育成協会の「教育コーチング認定校」として、
講師全員が教育コーチングの研修を受講しています。そこで、教育コーチとしての
信念として、「人は育とうとする生き物だ」「人は自分の中に答えを持っている」
「人はそれぞれ」という人が本来持つ特性を常に意識して生徒と関わることを学びます。
なかでも、「人は育とうとする生き物だ」という点は重要です。ともすると講師達は
何とかして「成績を上げなきゃ」「志望校に合格させなきゃ」という思いが先行して、
余計な手出しをしている可能性があるからです。

　子供は「育とうとする生き物」である以上、「育てられる」ことに対して抵抗します。
育てられてしまっては、自ら育つ喜びは得られないからです。このことは脳科学的にも
証明されているようです。すなわち、「自分でやりたい」という本能を司る「自己報酬
神経群」は命令に対しては機能せず、それを邪魔なものと認識するのです。だから、自分が
勉強しようと思っていたときに、「勉強しなさい！」と言われることで一気にやる気がなく
なるというのは、本当なのです。

　子供達がやる気になるのは、あくまで自己選択に基づいた行動によって達成感を得られた
ときです。だから、講師達は常に子供達からいかに「どうしたいか」「どうなりたいか」を
引き出すことを意識しているのです。そして、引き出された思いに応えられるように様々な
形で支えてあげることが講師としての役割だと考えています。あとは、ひたすら子供達が
成長することを信じて待ってあげるだけです。あくまで「人はそれぞれ」なので、子供ごとに
成長時期が違うのは当然です。それぞれの成長を見守りながら待つことが重要なのです。

　もちろん、我々講師達も成長途上であり、まだまだ至らないことは多々あります。しかし、
子供達の「受験を通じた自立」を支援するという思いにブレはありません。来月には、教育
コーチングの内容も含めて、日米の指導方針をご説明する機会として、「保護者会」も実施
致します。是非、保護者の皆様にご出席頂きたいと思います。皆さんとお会いしてお話しできる
ことを楽しみにしております。

　今月もよろしくお願い致します。

※なお、今回の写真は３月に毎年志賀高原で行っている恒例のスキースクールでの集合写真です。
日米では勉強に限らず、遊ぶときには全力で遊びます！また、団体行動の中で培われる一体感も
大切にしています！
　是非、一度日米の授業に参加してみて下さい！