7月中旬に入り、気温も一気に上がり、いよいよ夏本番です。受験生にとっては天王山とも
いえる夏休みが近づいてきました。今年も夏期講習、数学・算数特訓、合宿特訓などを通して、
日米は全力で、暑い中頑張る皆さんを支えていきます。もちろん、この厳しい夏を乗り切るため
の体調管理も欠かせません。ご家庭の協力を仰ぎながら、「人生を変える夏」にできるように頑
張っていきましょう。
さて先日、夏期特別企画として五育総合研究所の手塚奈緒美先生をお招きして、「私と子ども
の自己肯定感~夏休みは自己肯定感形成のチャンス!~」という内容での講演を行いました。保
護者の皆様同士でのグループワーク中心でしたが、会の進行と共にそれぞれのグループでの議論
が白熱し、非常に充実した機会となりました。共感を伴ったワークを皆さん楽しんで頂くと共
に、一方的に聞く講演とは違って内容の理解が深まったとの感想を多数頂きました。今後も継続
的にお子様だけでなく、「お母様に元気になって頂く企画(お父様も!)」を行って参ります。
その講演のテーマである「自己肯定感」は近年、教育分野でも大きく取り上げられています。
国際比較調査の結果、日本の若者の自己肯定感が他国に比べ極端に低いことが問題視されている
のです。では、自己肯定感が低いと何が問題なのか?簡単に言えば、自信を持って生きられない
ため、他者依存の傾向が強く、本当の意味での「自立」ができない人達が数多く存在することだ
と思います。「受験を通じた自立支援」をミッションとして掲げる日米としては看過できない問
題です。
そもそも「自己肯定感」とは何かというと心理学的には「社会的自尊感情」と「基本的自尊感
情」の二つの側面があるようです。社会的自尊感情とは、「自分は人の役に立つ」「自分の行動
には価値がある」「人より優れている」と思える感情で、他者による評価や他者と比較して得ら
れるものです。そのため、評価される機会がなくなればしぼんでしまいます。
一方、基本的自尊感情とは、「生まれてきてよかった」「自分の存在に価値がある」「自分は
自分」と思える感情で、他者との比較ではなく、絶対的かつ無条件に存在するものです。従っ
て、周りから影響されることなくずっと維持される感情となります。
この二つの感情のバランスで情緒の安定性がはかれるといえます。そして、最も危険な状態と
されるのが「基本的自尊感情」が低いままに「社会的自尊感情」を追い求めている状態です。す
なわち、他者からの評価(例えば学校の成績)が下がったとたんに、自分の存在価値を認識できず精
神を病む可能性が高まるのです。生きていく上での土台となるのは、まず「基本的自尊感情」な
のであり、それを高めることができる一番の場所はやはり、「家庭」なのです。もちろん、日米
としても生徒の皆さんとのやり取りの中で、「基本的自尊感情」を高めることはできます。しか
し、目標が数値化されがちなのでどうしても「社会的自尊感情」に傾きがちになることは否めま
せん。
夏休みは1年の中でも、最もお子様がご家族と関わる機会が多いときです。だからこそ、お子
様の自己肯定感、中でも「基本的自尊感情」を高めるチャンスなのです。「基本的自尊感情」を
高めるために最も有用とされるのが「共有体験」です。例えば、一緒に旅行に行き、同じ体験を
して感動を共有すること。もっと身近なことでは、食事の時間を共有することやお子さんの話に
うなずく時間をとること程度でも良いのです。その場での細かな技術については、ここでは書き
切れません。しかし、一番大切なことは「本気」で子供と対峙することなのだと自分は考えてい
ます。小手先の技術は子供達にも見透かされます。そして、ご自身の「自己肯定感」にもつなが
らないと思います。
この夏、是非ともご家族での共有体験を通じて、皆さんの「自己肯定感」を向上させていきま
しょう。もちろん、日米の講師陣はいつだって「全力」「本気」で生徒の皆さんと向き合い、
「自己肯定感」アップをはかっていきます。
長い夏休みですが、毎日やるべきことは盛沢山です。一日一日、一つでも達成感を得られる
ように頑張っていきましょう!