12月に入り、県内中学の推薦入試や千葉中の1次試験が
行われ、大学入試でも推薦やAO入試の結果が発表されてい
ます。今年も難関大学合格の知らせが早速あり、一般入試を
前に幸先の良いスタートとなりました。また中1・2の定期
テストではそれぞれの学年で「学年トップ」をゲットするなど、
非常に素晴らしい成果が出ています。
その一方で、今回のテストでは結果が出なかった生徒や、
なかなか模試でうまく実力を発揮出来ない受験生がいることも
事実です。この時期はどうしても目の前の数字に目が行きがち
になり、一先ず、目先の結果を出すための方策を考えがちです。
もちろん、本当に切羽詰まった段階になれば、悠長なことは
言っていられません。ただ、その問題となる「本質」を解決し
なければ、結局また違った形で問題は現れます。このことを勉強
ではなく、仕事を例に考えてみます。
最近、売上げが下がってきた会社があるとします。これを解決
するために、セールをしたり、広告宣伝を増やしたりします。
すると一時的には売上げがあがるかも知れません。しかし、その
問題の本質を解決しなければ、また売上げは下がってしまう可能性
があるのです。トヨタでは業務の問題点の本質を探るために「なぜ」
を5回繰り返すそうです。本質をとらえる上で非常に参考になる方法
です。例えばこの事例でいえば、こんな風になります。
なぜ、売上げが下がったのか→それはお客さんが減ったからだ。
なぜ、お客さんが減ったのか→それは店員の態度が悪いからだ。
なぜ、店員の態度が悪いのか→それは店員が仕事に充実感を感じていないからだ
なぜ、店員が仕事に充実感を感じていないのか→それは店員が日々の業務に不満を抱いているからだ。
なぜ、業務に不満を抱いているのか→それは上司とのコミュニケーションが不足しているからだ。
この様に原因を突き止めると、セールや広告宣伝では問題が
解決しないことが分かります。上司が店員にねぎらいの言葉を
かけるとか、問題を皆で話し合うといったことが必要になるの
です。この本質を解決しないままでいると、発注ミスやお店が
汚いなど、違った形でまた問題が発生し、結果的にまた売上げは
下がることになるでしょう。
定期テストにしても、とりあえず過去問の解答を丸暗記すること
で目先の結果が上がったとしても、学力が上がったことにはなりま
せん。それどころか、「点数さえ取れればそれで良い」という考えは、
子供達を間違った方向へと導きかねません。定期テストの本質は、
日々の学習の中で自分が出来ない部分を確認し、その内容を出来る
ようにすることで、自らの学力、引いては問題解決能力を培う点に
あります。だとすればその本質に沿った勉強のやり方があるのです。
もちろん、定期テストの点数が成績(内申点)に結びつくという点は
見過ごせません。しかし、本質をとらえた学習が必ず子供達の成長に
繋がることは間違いないのです。
では、受験の本質とは何か。それは、「子供達が自立した大人と
なるための通過点である」と思います。問題はその通過点をどのよう
に通過するかです。ただ合格さえすれば良い、というのも一つの考え方
です。しかし、日米はそんな風には考えません。様々な壁にぶつかり
ながらも、それを乗り越えるために自ら加える創意工夫、仲間とともに
乗り越える過程で得られる達成感、そして、支えてくれた人々への感謝の
気持ち。それらを手にすることこそが、その本質に加えられるべきものだと
思います。我々も「受験を通じた子供達の自立を支援する」という塾としての
本質を忘れることなく、皆様と共にこれからの受験シーズンに立ち向かって
参ります。
今年も1年間、皆様に支えられながら、ここまでの日々を過ごして参りました。
心より感謝申し上げます。これから、冬期講習、正月特訓、そして、
受験と特に受験生の保護者の皆様には本当に大変な日々となってくるかと
思います。何よりも、お身体を大事にお過ごし下さい。今月もよろしく
お願い致します。