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好きだゾー!八千代人

二人目、「八千代の農業でつながろう」農事組合法人島田、荻原さん

「美味しく安全な地元の食糧」、「わくわく収穫体験」、八千代市の果物・野菜をもっと身近にしたい!

2012/08/16


■ 「八千代人」
「八千代人」とは、あなたの身の回りにいる、「八千代を元気にしよう!」と熱く燃えている人。
このコーナーでは、そんな「八千代人」を毎回紹介していきます。
担当するのは、黒田レポーター(八千代市で中小企業診断士として活動中)。
地元目線でリポートします。


■ 農業を愛し、農業の未来に夢を持つ!
八千代市の中心部を流れる新川の両側は、広大な農作地帯となっています。
この新川と国道16号線とが交わる場所、道の駅やちよ・八千代ふるさとステーションの川向こうに「農事組合法人島田」の施設があります。
今回の八千代人は、「農事組合法人島田」の代表、荻原正(おぎはらただし)さんです。


■ 聞きます 語ります
・ 「農事組合法人島田」って何をやってるの?
・ 「収穫体験」や「農業体験」について

・ 「道の駅・八千代ふるさとステーション」とはライバル?
・ 「えっ? ミニ動物園」?
・ 「八千代の農業でつながろう!」

など、農業談義は尽きませんでした。

農事組合法人島田を始めたきっかけをお話しください

私を含め法人のメンバーは、それぞれに水田や畑を持って八千代で農業を営む、いわゆる土着民です。
みんな農業を愛していますが、農業経営は、旧態依然な部分が多く残っており、後継者探しも困難になるにつけ、『このままではマズイな...』という思いを持っていました。

そんな時、10年ほど前に、新川で水田再基盤整備事業が始まったのです。
農業の利用集積を進め、次の農業の担い手を育成する取り組みです。
私たちは、有志14人でこの事業に取り組むことを決め、すぐに手を挙げました。
その時に作った青写真が、現在実施している、体験農園です。

「本業の農家」と「法人島田の仕事」を全員二足のわらじで取り組んでいますので、人的、財政的にも事業をしていくのは大変です。
でも、法人として経営が安定すれば、もっとたくさんの農家の方に参加していただけると思います。
法人の仕事を通して、農家の経営も安定させるのが私たちの究極の目的です。
農事組合法人島田代表 荻原正さん<br>八千代ふるさとステーションにて撮影
農事組合法人島田代表 荻原正さん
八千代ふるさとステーションにて撮影

法人島田では、どんな「収穫体験」や「農業体験」ができるんですか?

年間を通して収穫体験や農業体験ができます。

(1~4月)イチゴ狩り (5月初め)田植え (5月下旬)空豆とり (6月)ジャガイモ掘り (7~8月)ブルーベリー摘み (9月)お米刈り取り・さつま芋掘り (10月下旬)黒大豆とり。

イチゴ狩りは、毎年大盛況です。
今では特大のビニールハウスが2棟並ぶまでになり、この秋もう1棟増設予定です。

ブルーベリー摘みも人気です。夏が旬で、600坪の敷地にたくさん実がなっています。
食べ放題、取り放題ですよ。

★ 収穫体験の時期や料金など詳細情報は法人島田のHPをご参照ください)。
1月~4月<br>特大ビニールハウスのイチゴ<br>~2月末まで、小学生以上1400円<br>~4月初まで、小学生以上1050円
1月~4月
特大ビニールハウスのイチゴ
~2月末まで、小学生以上1400円
~4月初まで、小学生以上1050円
7月~8月<br>たくさんの実をつけるブルーベリー<br>子ども300円、大人500円(中学生以上)
7月~8月
たくさんの実をつけるブルーベリー
子ども300円、大人500円(中学生以上)

道の駅やちよ・八千代ふるさとステーションとはライバル関係になるのでしょうか?

農事組合法人島田では、「収穫体験」や「農業体験」を通して、食物の大切さ、農業の楽しさ・大変さを知ることができます。
道の駅やちよ・八千代ふるさとステーションでは、食事ができ、農産物や加工品の買い物を楽しめます。
どちらも家族で楽しく時間を過ごせる施設になっています。
法人島田で「体験」を楽しんだ後、道の駅でお買い物、といった家族もたくさんいます。

つまり、我々はライバルではなく、共存関係ということになります。
両方を楽しまれるお客様を増やしたいですね。


来年の秋完成予定で、私どもの施設の横に「ふれあい農業の郷、観光交流センター」の建設が始まりました。
「農業研修」や「農産物の加工・販売」などが予定されています。
ここに我々も出店し、加工品の販売を行う予定です。
そうなると、一部ライバル関係も発生しますが、店舗販売は何としても挑戦したいです。
農事組合法人島田の建物<br>手前は工事中の観光交流センター
農事組合法人島田の建物
手前は工事中の観光交流センター

収穫体験、農業体験以外に何か考えていることはありますか?

実は、「ミニ動物園」をやりたいと考えています。
農事組合法人島田が目指すのは、家族が一緒に楽しく過ごせて、農業に関心を持ってもらうことです。
ミニ動物園はあまり関係ないように思われるかもしれませね。

確かに、うさぎやリスなどを並べただけでは、子ども受けを狙っただけだと思われてしまいます。
私たちは、農家で飼っている豚や牛・馬を用意しようと考えています。
少々臭うかもしれませんが、本物の豚や牛・馬に触れることにより、子どもたちは何かを感じてくれるはずです。

今の農業、これからの農業についてお話しください。

農家の高齢化が進み、さらに後継者の不足により、耕そうにも耕せない田畑が増えています。

私どもで借り受けて耕作したいのですが、農地の利用権設定には様々な規制があり、クリアするには数年かかる場合もあります。この「規制」が実に厄介です。
今後加工品の店舗販売をする場合、ミニ動物園を開園する場合にも、それぞれに様々な規制が立ちはだかることでしょう。でもくじけませんよ。

我々の事業はまだまだ道半ばです。
現在メンバーは12名で60代、70代が中心ですが、30代、40代の若手もいます。
彼らはこの事業をさらに発展させてくれる後継者です。
新しいアイデアをどんどん出して、実行していってもらいたいですね。
お決まりの二人による「Y」の字です<br>荻原代表 ありがとうございました
お決まりの二人による「Y」の字です
荻原代表 ありがとうございました

農事組合法人島田のホームページ

編集後記(診断士の目から見て)

荻原さんの話には、「規制」という言葉が何度も現れた。
新しい事業を展開していく中で、おそらく様々な法律、条令等に阻(はば)まれることが数多くあったことだろう。
それでも、何か月も時には何年も時間をかけて、一つ一つクリアされてきたのである。
荻原さんは熱い人であるとともに、忍耐の人である。
そう、農業に携わる人は、例外なく忍耐強い人なのである。

企業にとっても、この忍耐強さは大切な素養である。
そこで、一般の企業人が農業の忍耐強さに接する機会を考えてはどうだろう。
たとえば、企業の新人研修に、農事組合法人島田での実習を組み入れてみる。
近くの宿泊施設に協力してもらい、2泊3日ほどの農業体験を実施するのである。
農業は同じ動作の繰り返しであり、期間は短くとも農業の大変さ、我慢することの大切さは十分に体験できる。
さらに、同じ釜の飯を食い、汗まみれ、泥まみれになって作業することにより、団結心や仲間意識は強固なものになる。
時代遅れかもしれないが、「地に足の着いた研修」はとても意義のあることだと思う。


【インタビュアー紹介】
黒田 弘 オルク・コンサルティング 代表
連絡先:八千代市大学町2-8-18
TEL:047-751-7730
E-mail:h.kuroda@oruk.biz