今年もついに梅雨に入りました。中学では最終下校時刻が繰り下がり、部活動が夏の
大会などに向けて佳境に入ります。また、今年度最初の定期テストも行われ、生徒の
皆さんには体力的にも精神的にも、一番キツイ時期かも知れません。ただ、今年は
この時期としては異例の光景が見受けられました。初めての定期テストを前にした
中１生の自習室の利用率が非常に高くなっているのです。その甲斐あってか早くも
好成績を挙げたという報告が続々と届いています。また、５月末に行われた月例テストでは
中１生の英語の全体平均偏差値が何と「６０」を突破しました！この勢いを他の学年にも
伝播できるように、これからも大いに盛り上がっていきましょう。
　そして、頑張れ、日米生のみんな！！

　さて、５月の保護者会には多くの皆様にご出席頂きまして、有難うございました。
少しでも、日々の暮らしの中で教育コーチングの「４つのトライアングル」を意識して
頂けたら幸いです。その４つのトライアングルの土台となる「あり方」のトライアングルの
中でも根幹となるのが「愛情」です。ただ、保護者の方からすれば愛情表現のつもりなのに、
子ども達がもっともやる気をなくす言動があります。それは何かというと・・・、
「先回りで注意する」ということです。これは保護者の皆さんにも経験があるのではない
でしょうか。ちょうど勉強を始めようとしていたときに、「勉強しなさい！」と言われ、
一気にやる気がなくなってしまうという経験です。でも「今、やろうと思っていたのに！」
などとお子さんから言われるとどうしても言い訳のように聞こえてしまうかも知れません。
しかし、脳科学的にはそれは単なる言い訳ではないようです。脳内には「自己報酬神経群」
すなわち、自分で決めたことを自分で達成したいと考え、「自分でやる」ということに
うれしさや喜びを感じ、それをご褒美として更に頑張ろうとする作用があるようです。
そして、「勉強しなさい」と指示することは、「自分でやる」という思いを阻害し、
結果的に「自己報酬神経群」の作用を奪うことになるのです。だから、あれこれ指示され
ればされるほど脳のパフォーマンスは落ちて、やる気がなくなってしまう結果になるようです。

　では、どうすれば良いのか。自己報酬神経群は小学校の高学年から活発化してくるよう
なので、「子どもの成長を信じて、何も言わずに待つ！」というのが一つの解答なのかも
しれません。しかし・・・、これはなかなか難しいですよね。常に自発的に勉強すると
いう子どもはなかなかいません。そこで、自己報酬神経群の力を発揮させるのに是非
試して頂きたいのが、「姿勢」のトライアングルの一つである「質問」を投げかけて、
自ら選択してもらう、ということです。例えば「定期テストに向けて勉強しなさい！」
という代わりに「定期テストで何点取る？」と尋ね、続けて「そのために、いつ、何を、
どうする？」と問いかけてみて下さい。その際、できる限り具体的に答えを引き出す
ことです。自分で言ってしまった以上、それを実行する可能性は飛躍的に高まります。
但し、ここで気をつけて頂きたいのは「子どもは必ずしも親の思い通りの答えを言わない」、
ということです。それでも、そのまま受け入れてあげて下さい。これが誘導尋問のように
なってしまっては却って逆効果になりかねません。一番まずいのは「このままで良いと
思っているの？」などという問いかけです。これは質問の名を借りた「恫喝」になって
います。大切なことは「自分で決めたことを自分でやり遂げる」という経験を積み重ね
させてあげることなのだと思います。

「イモ虫は葉っぱを食べるのが仕事。やがて成長して蝶となり蜜を吸う。でもイモ虫に
蜜を与えるとイモ虫は死ぬ」のです。それぞれの成長を信じ、成長に応じた課題を
与えることで子ども達の実力を付けていけるように我々日米講師は努めて参ります。
そして、子供達にとっては保護者の皆様の言葉が子ども達のやる気に大きく影響している
ことも間違いありません。通信や面談などを通じて保護者の皆様と共に子供達のやる気を
アップさせるお手伝いもさせて下さい。

　今月もよろしくお願い致します。