こんにちは。
よこかわ整骨院です。

今回はオスグットシュラッター病です。
小中学生のスポーツ選手によく見られます。

症状は、膝のお皿の下に痛みが出る。
膝の曲げ伸ばしで痛み、押しても痛い。コブができる。


画像（膝の前面）の赤丸の部分に痛みが出ます。成長段階で骨がまだ出来上がっていないために、太腿の筋肉からつながっている膝蓋靱帯（お皿の下の筋）の付着部が引っ張られることにより、骨と靭帯との付着部で炎症を起こし腫れて、見た目にはコブが出来たように見えます。

でも、なぜ同じようにスポーツをしていても、症状が出る子どもと出ない子どもがいるのでしょうか？

それは、膝を伸ばすときのタイミングにエラーがあるからです。

膝を伸ばすときは太もも前面の大腿四頭筋（図の赤丸より上の部分）が収縮することで伸ばしますが、スネにある前脛骨筋（アナトミートレインの体の前面の図の膝より下の青い部分がつま先を持ち上げる筋肉）も収縮していないと、膝にかかる「チカラ」が膝蓋靭帯周囲で分断されてしまい、そこにストレスが掛かることで炎症を引き起こします。

先につま先に力が入るため、前脛骨筋と反対の作用をする下腿三頭筋（かかとを上げる筋肉）に力が入ってしまいます。（アナトミートレインの体の後面の図の膝から下）

下腿三頭筋は膝を曲げる作用もあるので、つま先に力が入るとアクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなもので、とても膝に負担がかかります。

試しに、かかとを上げたままスクワット運動（膝の屈伸運動）をしてみた後に、しっかりかかとに体重を乗せて同じように行ってみてください。膝の曲げが強くなるほどかかとを付けている方が楽なはずです。

もう一つ大事なことは、かかとにはしっかり体重がかかっているが、骨盤を含む体幹は前傾して重心が前に向かうことです。

人間の動きの基本は筋肉の動きよりも、重心の移動がほんの僅かに先行しないと動作のエラーになります

このように、動作にエラーがあると蓄積した結果、症状として出てくるので、実は
病気ではないのです。

また、大腿四頭筋は骨盤の前方に、ハムストリング（モモの裏の筋肉）は骨盤後方に付着して、
骨盤の動きや股関節の動きともリンクしていますので、そちらの対処も必要になってきます。
（アナトミートレインの図をご覧ください）

注：アナトミートレインとは、全身の連動した筋肉の動きを表していて、全て筋膜で繋がっています。今回は体の前面と後面の2種類のラインから説明しています。