八千代の伝説~昔ばなし
~ 八千代市・村上の正覚院の起源となったお話です ~
おしどり寺の正覚院は、村上にあります。
新川遊歩道のゆらゆら橋から東へ300m、
車道からは郷土資料館バス停から150m、
こんもりと茂った木々の中にある静かなお寺です。
山の開設の発端となったおしどりと真円のお話の頃は今から850年以上前。
平安後期から鎌倉初期、武士の時代の幕開けや蒙古襲来といった乱世の中で
不安を感じていた人々が無事を祈念したお寺でもあるのです。
片葉弁財天、木造釈迦如来立像、おしどり塚碑、宝篋印塔、五輪塔、骨壺、
武士の館跡など史跡が多く、八千代の史実を今に伝えています。
■ 入口 ■
木立ちの中にあるので、見つけにくいかもしれません。
静かな境内には年代がさまざまな石碑や石仏がたくさんあります。
八千代の長い歴史を見守ってきたお寺です。
■ 片葉の弁財天 ■
正覚院の入口の向かい側、阿蘇沼の名残を伝える「阿蘇沼片葉葭厳島神社」。
おしどりの片羽を祀ったので、阿蘇沼には片葉の葦が茂ると言われました。
■ 村上のお釈迦様 ■
4月8日の花祭り(お釈迦さまの誕生日)の日だけ御開帳される秘仏の「釈迦如来像」。
一見異国風にも見える京都清凉寺式で、約700年前鎌倉時代後期に作られたと言われています。
釈迦如来像の拝観は年に一度だけですが、郷土資料館に正確に再現された縮小版の複製があります。
釈迦堂は八千代市指定文化財、釈迦如来像は県の指定文化財に指定されています。
■ お水舎 ■
釈迦堂の右手にあります。片葉の弁財天のお水、甘露水とも呼ばれ、
のどの痛みを取り除いてくれるとの言い伝えがあります。
■ おしどり夫婦の塚碑 ■
殺生により死に別れてしまいましたが、改心した真円によって手厚く供養されました。
そして、不殺生戒の教えとして現在まで語り継がれることになりました。
塚碑の裏には、雌のおしどりが詠んだ悲しみの歌が刻まれています。
■ 八千代市八福神の毘沙門天 ■
釈迦堂の裏横に、毘沙門天が祀られています。甲冑を身に着けた武将風の姿。
邪悪な者どもを振払い倒す強い力を持ち、夜叉や羅刹を従え北を守る四天王の一人でもあります。
次回のおしらせ
第三話 「すわり地蔵」(米本)
おたのしみに