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測定ナビ・放射線量を測り歩く

測定ナビ第2号 八千代市の公共施設の放射線量

いろいろな地面の状態を測定してみる

2012/06/10

今回は、公共施設を測定ポイントに、いろいろな地面の状態で測定してみました。
コンクリート・土・草・落ち葉・たまり水...

福島原発から八千代までどのように放射性物質がやってきたのか
医学監修の加藤先生に教えていただきました。
 
そして測定した空間放射線量の数値の捉え方として、原発由来でない放射線や
リスク自体の考え方についても、視野を広げてみました。

何より収穫なのは、自ら測ることで発見できる数字のメッセージです。
理化学のド素人のわたしが、専門家の加藤先生にアドバイスをもらい
少しずつ理解できたことをリポートします。
 
今回のテーマ
いろいろな「地面の状態」を測ってみる   
特集
放射性物質はどのように移動してくるの?

もくじ
1.市内の測定値(まいぷれ八千代測定)
測定マップ
測定状況
測定記録簿

加藤先生のコメント
2. 特集 「放射性物質はどのように移動してくるの? 」
3.「昔から身近にあった」日常生活での放射線被ばく
まめ知識 : リスクって何ですか?

医学監修:加藤賢三先生

1. 市内の空間線量の測定値 まいぷれやちよ調べ
Dr.Kato's Advice !
■ 市内の公共施設で 
いろいろな「地面の状態」を測ってみる
  


1回目の道路、駅、橋の測定に引き続き、今回は公民館等の公共施設などについて、空間線量を測るとともに、土・草の部分とコンクリートの部分、排水溝などにも配慮して、計測を行いました。
測定結果は地図と測定記録簿をご覧ください。

■ 結果   
市内の公共施設等、およそ50の計測を行った中で、
放射能レベル
0.08~0.0097μSv/hには9例、
0.106~0.146μSv/hには17例、
0.17~0.192μSv/hには10例、
0.201~0.293μSv/hには11例が該当しました。

特に放射能レベルが高い地点は3地点で、いずれもよく言われているように、排水溝などに落ち葉などが集まっているところで、
その値は、0.48μSv/h、0.67μSv/h、0.98μSv/hであり、検討する必要があるものと思われます。

村上公民館 入り口
睦公民館 右手排水溝
少年自然の家 入り口
■ 測定状況について

1.測定した人
まいぷれ八千代担当者 加藤賢三先生 

2.測定器
市役所の貸出機器
株式会社 堀場製作所 PA-1000Radi(検出方式:シンチレーション式)
※測定下限値は「0.001μSv/h」


3.測定日状況
(1)H24年5月7日(月曜)【天候】晴れ・風無【時間】午後12時58分~午後18時20分
(2)H24年5月8日(火曜)【天候】晴れ・風弱【時間】午後15時20分~午後16時55分


4.測定場所
(1)H24年5月7日:市内の公民館(勝田台・阿蘇・睦・緑が丘・高津・八千代台・八千代台東南・村上と、その周辺)
(2)H24年5月8日:市内の主な公共施設(少年自然の家・ふれあいプラザ・清掃センター・ガキ大将の森・新川わくわくプレーパークと、その周辺)


5.測定の高さ
1mと5cm

6.測定値
複数回測定した値の平均値(記録簿には、標準偏差、データ数も記載)
八千代市清掃センター 入り口
八千代市清掃センター 入り口
ガキ大将の森 入り口
ガキ大将の森 入り口

Dr.Kato's Advice !
2. 放射性物質はどのように移動してくるの?(゜-゜)!

■ 大気・水に混じって 広域へ移流拡散

このような放射能はどこから、どのように運ばれてきたのでしょうか。
原発事故に伴い放射された放射性物質はエアロゾルなどの形で広域に移流拡散し、降雨に伴って地上に降下沈着しました。
現在、環境放射能のほとんどを占めている放射性セシウムは、降雨に溶けてイオンの形で降り注いだと考えられます。
文部科学省が行った航空機モニタリングの結果では、関東圏域でも千葉県の北西部や栃木県群馬県の山麓部など、高線量地域が分布しています。
合流式下水道では、放射性セシウムが付着した地上部の土壌粒子が懸濁物として下水道に流入し、終末処理場において下水汚泥に濃集しています。
上水の場合も同様に、取水域に懸濁物が流入し浄水過程で上水汚泥中に濃集しました。


■ ホットスポットはナゼ出現・・・気象と地形の複合要素
微粒子の大気拡散に詳しい群馬大の早川由紀夫教授(火山学)は4月上旬、民間による測定や国の公表データをまとめ、同原発から半径約300kmの汚染地図を作成しました。
地図を見ると、福島第一原発からは3方向に放射線の強い地域が分布しています。
茨城県南部から千葉県、埼玉県、東京都の一部にかけては、周囲より放射線量の高い帯状の地帯が現れています。

一帯は海側から吹く風と、山から下りてくる風が関東平野上でぶつかり、雲を形成して雨を降らせる場所。都の水道水から放射性物質が検出されたのも、これで説明ができる。」と、早川教授は見ています。


【資料】早川由紀夫 「火山ブログ・福島第一原発から漏れた放射能の広がり」
<群馬大学教育学部教科教育講座理科専攻教授・理学博士(東京大学)>

【参考】新・全国の放射能情報一覧
ご自分の住んでいる地域の放射線量をご確認ください

■ 八千代周辺の数値を見る
一番外側の線の数値、毎時0.25μSvとは、単純に1年間の値に換算すると、年2.2mSV/年(1mSvは、1000μSv)に相当。
東日本の平常時の自然放射線量は(地域によって違うが)、毎時0.01μSv~0.1μSv。
線の外側だから、放射線量が平常通りという意味ではありません。
次回の測定ポイントは近隣市との境界線付近を予定しています。

ポイント!
3. 「以前からあった」 暮らしの中の放射線被ばく
われわれの身の回りにはもともと宇宙線や大地、建物、食品などに由来する放射線があり、
放射線量の値が異常であるかどうかは自然状態の放射線量と比較して初めて知ることができます。
つまり、現在の空間放射線量の測定値には、昔から人間が付き合ってきた自然放射線も含まれています。
自然放射線 と 医療用放射線 グラフ上)
放射線や放射線同位元素には、自然のもの人工なものがあります。
このうち日常的に私たちに最も関係が深いのは、
自然放射線医療用放射線です。
■ 医療放射線の量
・胸部CT検査・・・6.8mSv

・胃のX線検査・・・2.7mSv
・歯科口内法・・・0.029mSv
【資料】病気の検査や診断で受ける放射線の量
放医研調べ 放射線保健学、(社)日本放射線技師会、マグブロス出版



自然放射線の量 (グラフ下) 
以前から人間が生活する中に放射線はありました。
一年間に被ばくする自然放射の量は、世界平均で2.4mSv/年(日本における値は、1.4mSv/年、単純に1時間の値に換算すると、0.16μSv/h)
■内部線量・・・空気中のラドンなどの吸入から1.3mSv
/年、 食物などから0.35mSv/年
■外部線量・・・大地放射線から0.4mSv/年、宇宙線から0
.35mSv/年
【資料】自然放射線の内訳(全世界平均、1988年国連科学委員会報告)



人間の体内の放射性物質

私たちの体も放射線を出しています
■ 体重60kgの日本人の場合、おおよそ
120gのカリウムがあり、その0.012%は放射性のカリウム40で放射線の強さは約3600Bq
カリウムは生物が生きていく上で欠かすことのできない元素ですから、この放射線は生きている限り避けることはできません。体内の放射性カリウムいついてまで恐れる心配はありません。
【資料】「大災害の理科知識Q&A250」Q17(回答:小波秀雄)
リスクって何ですか? (゜-゜)!
 実用的には、リスクとは、「障害の起こる確率と重篤度の積」で、ある危険な障害の起こる予測値と考えることもできます。
表は1年間、10万人あたりの死亡にいたるリスクです。

■ 放射性物質のリスク意識は大切なことですが、日常生活の中にも多くのリスクをはらんだ状況があることを勘案する必要もあるでしょう。

■ 一般的に100mSVの被ばくをすると、将来がんなどで死亡する危険性が0.5%高まるとされています。しかし、それ以下の場合の影響ははっきりとしていません。

 国際放射線防護委員会(ICRP)は、平常時に受ける自然放射線以外の被ばく量を年1mSv(時間当たりの換算で、毎時0.11μSv)に抑えることを目安にしています。

※ 設定された放射線量の基準値がリスクの境界線という意味ではありません。

手続カンタン 測定カンタン
3. 誰でも測れる! 「借りる~測るまで」 
◆ 測定器の借り方

(1) 八千代市役所 環境保全課    に電話予約  
     受付電話: 047-483-1151(代表) 受付担当内線 3212、3214
   受付時間 9:00~17:00(土日祝日、年末年始を除く)
   利用資格: 市内に住所を有する個人又は固定資産を有する個人、事業者、団体
   貸出期間 H24.5.7予約分より、個人でも3日間まで借りられることになりました
   貸出台数: 申込み1件につき1台 ※貸出台数は全体で10台です 


(2) 当日、市役所本館2階 環境保全課で手続き
   受付依頼: 予約日と予約名を告げる/身分証明書の提示(保険証、運転免許証 等)
   書類作成: 「貸出申込書兼借用書」記入
   操作確認: 取扱注意点、操作方法※「測定マニュアル」は、測定器袋の中にも入っています
   貸出内容: 放射線量測定器1台、1m測定ひも、「空間放射線量測定マニュアル」
   配布書類: 
「生活空間における放射線量低減化対策の手引き」(除染マニュアル)、空間放射線量測定記録簿 (記録提出は任意)

◆ 測り方

 ★ 注意点の確認 これだけは守ろう!
   ・空間放射線量を計測する機器の為、物や水等に含まれる放射性物質の計測はできません
   ・雨天の場合は、屋外で使用しない(故障原因となります)
   ・測定器をビニールから出さない(本体に物質が付着すると正確な測定ができなくなります)
   ・測定可能な場所に限る(他人の土地・建造物に無断で侵入することは法律で禁じられてます

■ 次回テーマ(予告)

 【空間測定場所近隣市との境界線を測ってみる 
【特集】
基準値について


 
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