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測定ナビ・放射線量を測り歩く

測定ナビ第1号 八千代市内の放射線量を測ってみる

最初の一歩 「測定方法」 「放射能の基礎知識・単位など」

2012/04/25

今回のテーマ
放射線量を測る 【特集】放射能の単位など

もくじ
1.市内の測定値(まいぷれ八千代測定)
加藤先生のコメント
その他データページ

2. 特集 「 放射能の単位などについて 」
3.誰でも測れる!「借りる ~ 測るまで」


医学監修:加藤賢三先生

1. 市内の空間線量の測定値 まいぷれやちよ調べ
■ 測定状況について

1.測定した人
まいぷれ八千代担当者 加藤賢三先生 

2.測定器
市役所の貸出機器
株式会社 堀場製作所 PA-1000Radi(検出方式:シンチレーション式)
※測定下限値は「0.001μSv/h」


3.測定日状況
(1)H24年4月4日(水曜)【天候】曇り風強【時間】午前11時13分~午後16時25分
(2)H24年4月6日(金曜)【天候】晴れ風強【時間】午前10時20分~午後16時25分


4.測定場所
(1)H24年4月4日(水曜)市内の全駅(京成本線、東葉高速鉄道)
(2)H24年4月6日(金曜)市内の主な橋、島田台交差点、市役所本館玄関


5.測定の高さ
1mと5cm

6.測定値
複数回測定した値の平均値

Dr.Kato's Advice !
■ 正しく理解する最初の一歩 「自ら測る」  


今回の測定は、放射線の人体に及ぼす影響を意識しながら行っています。
放射線の影響を従来扱われている公害などの環境への影響なども含めて、リスクという概念で総合的に扱われています。
その中で、放射線が他のリスクと共通な面と特有な面があり、その特有な面を知る上で、放射線のリスクを 「怖がり過ぎず」「軽視せず」 正しく理解することが、安全・安心して暮らせる近道ではないかと思います。
 
そのための初めの一歩として、市民自ら放射線量を測ることはとても有意義です。
今回の測定は、4月4日と6日の2日間で、主として、「八千代の駅」、「八千代の河川にかかっている主要な橋の中央」、「16号線(島田台交差点)」、「市役所本館玄関」などを地上から1m5cmの位置で測定を行いました。

◆ 「駅シリーズ」
駅ホームの1m値は、0.04~0.10μSv/h 5cm値は、0.04~0.12μSv/hで、比較的低い値です。
駅出口の1m値は0.10~0.26μSv/hで、ホームに比べて少し高くなっています。5cm値は0.12~0.51μSv/hで、土の部分は高めの傾向が見られました。

◆ 「橋シリーズ」
橋中央の1m値は0.05~0.32μSv/hで、他の橋に比べて村上橋が高めでした。5cm値は0.10~0.51μSv/hで、ここでも他の橋に比べて村上橋が高めでした。

その他では、市役所の本館玄関前の5cm値が0.80μSv/hでした。今回測定した中では最も高かったので、再測定などが必要と思います。

今後とも、市民による市内の放射能測定を継続してゆくことが必要と思います

ポイント!
もともとある自然界の放射線量(八千代市)
0.0178μGy/h
0.036μGy/h

われわれの身の回りにはもともと宇宙線や大地、建物、食品などに由来する放射線があり、この値が異常であるかどうかは、自然状態の放射線量と比較して初めて知ることができる。

※ 計算で求めた自然放射線量(地上1m, 今井ほか(2004)の元素分布データ、計算式はBeck et al.(1972)による)(海と陸の地球化学図より)
※ ベータ線とガンマ線の場合には、全身に均等に吸収されたとき 1グレイ(Gy)=1シーベルト(Sv)と換算できる

日本地質学会・日本の自然放射線量

Check!
■ 八千代市内の放射線量測定値データ公開ページ

八千代市内の放射線量測定値データは、市役所のHPにもあります
八千代市役所環境保全課「八千代市における空間放射線量の測定について」


Dr.Kato's Advice !
2. 放射能の単位などについて (゜-゜)!

■ 「放射能」 「放射性物質」 「放射線」 とは?
放射能は、放射線を出す能力のことです。そして、放射線を出す能力を持つ物質が、放射性物質と呼ばれます。
懐中電灯にたとえると、光が放射線、光を出す電力が放射能、懐中電灯が放射性物質にあたります。


■ 「吸収線量」 「等価線量」 「実効線量」 とは?
● 吸収線量は、質量1kgの物質に放射線が与える平均エネルギーの量(単位は「Gy」グレイ)
● 等価線量は、放射線の人体組織への影響を表す量(単位は「Sv」シーベルト)
● 実効線量は、放射線被ばくによる全身への健康影響を評価するための線量(単位は「Sv」シーベルト)
※「等価線量」「実行線量」は、ともに単位が「Sv」シーベルトです


■ 「Bq」ベクレル 「Gy」グレイ 「Sv」シーベルト とは?
●「Bq」ベクレルは、放射能の強さ
●「Gy」グレイは、物質が吸収したエネルギー量
●「Sv」シーベルトは、人体への影響の大きさ
放射能「Bq」ベクレルを投げてくるボールの数にたとえると、物質が吸収したエネルギー「Gy」グレイは、当たったボールの数に相当します。人体への影響の大きさ「Sv」シーベルトは、ダメージの大きさで、「Gy」×放射線加重係数(放射線の種類による人体への影響の違いを調整)で求めます。さらに、実効線量として、全身被ばくに換算して、「Sv」シーベルトで表します。

手続カンタン 測定カンタン
3. 誰でも測れる! 「借りる~測るまで」 
◆ 測定器の借り方

(1) 八千代市役所 環境保全課    に電話予約  
     受付電話: 047-483-1151(代表) 受付担当内線 3212、3214
   受付時間 9:00~17:00(土日祝日、年末年始を除く)
   利用資格: 市内に住所を有する個人又は固定資産を有する個人、事業者、団体
   貸出期間 H24.5.7予約分より、個人でも3日間まで借りられることになりました
   貸出台数: 申込み1件につき1台 ※貸出台数は全体で10台です 


(2) 当日、市役所本館2階 環境保全課で手続き
   受付依頼: 予約日と予約名を告げる/身分証明書の提示(保険証、運転免許証 等)
   書類作成: 「貸出申込書兼借用書」記入
   操作確認: 取扱注意点、操作方法※「測定マニュアル」は、測定器袋の中にも入っています
   貸出内容: 放射線量測定器1台、1m測定ひも、「空間放射線量測定マニュアル」
   配布書類: 
「生活空間における放射線量低減化対策の手引き」(除染マニュアル)、空間放射線量測定記録簿 (記録提出は任意)

◆ 測り方

 ★ 注意点の確認 これだけは守ろう!
   ・空間放射線量を計測する機器の為、物や水等に含まれる放射性物質の計測はできません
   ・雨天の場合は、屋外で使用しない(故障原因となります)
   ・測定器をビニールから出さない(本体に物質が付着すると正確な測定ができなくなります)
   ・測定可能な場所に限る(他人の土地・建造物に無断で侵入することは法律で禁じられてます
(1) 測定器と手引書
(2) 空間測定記録簿
(3) 定点測定の場合は、位置と高さを正確に
(4) 地表近くを測定する場合は、直に地面につけない
(5) 測定ボタン押す
   ・放射線の線量は一定ではないため、数値は常に変化しています
   ・測定開始の数値から数値の動きが落ち着くまでの数値を記録します

編集後記 第一回 「測定ナビ」

八千代市でも、今年の3月から空間線量測定器の貸し出しが始まりました。
八千代の暮らし情報サイト「まいぷれ八千代」にも、『放射線量が知りたい』という声が寄せられ、地域に不可欠な情報との判断から、実測し掲載をすることにしました。

実測と測定値の記録については、情報発信をする立場として、適切性が最重要課題でした。
放射能に関する学識経験者の監修を必要としていたところ、加藤賢三先生がお引き受けくださいました。
随時、測定現場にご同行くださり、測定のアドバイスや測定値の確認をしてくださっています。
とても心強く、ありがたく感じております。

とても難しい分野ですが、みなさんの『知りたい!』のお役に立てればとの思いで、取り組んでいます。
まいぷれ八千代編集者の私も、もちろん八千代市民です。
私自身、一歩踏み出して「自分で測って、理解する」という道筋を見つけられたことを喜んでいます。

今後も、加藤先生の専門的な知識によるご指導とご協力をいただきながら、八千代の自然・生活環境(当面は放射線)を市民として多視点で捉えていきたいと思います。

質問やリクエストがありましたら、ぜひお寄せください。 

 

■ 次回テーマ(予告)

 【空間測定場所公共施設 
【特集】
放射性物質はどのように移動してくるの?


 
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