ゴールデンウィークが終わり、新学年での生活も本格化してくる頃です。日米では新年度保護者会・個人面談の時期になります。12日(金)には難関中学受験ＹＴコース4・5年の保護者会がありました。今年も中学受験専門大手塾講師でありながら、引きこもりの子供やその保護者の方々の支援団体である「五育総合研究所」代表の手塚奈緒美先生をお招きして、「保護者の方が元気になるワークショップ」と受験生の保護者ならではの悩みを共有する懇談会を行いました。ここで改めて、日米が最終的に目指すべき方向性を確認できた気がしました。その内容は、これからの保護者会や面談でお話ししていきます。ご多忙のところ恐縮ですが、是非、お越し下さい！

　さて、先月の通信では、将来、子供達に実現して欲しい「自立」の三つの側面（①経済的自立・②社会的自立・③精神的自立）について書きました。今月はそれらの「自立」を果たすために身に着けるべき「基礎となる力」とは何か？、を改めて考えます。

　子供達の自立を支えるために必要とされる力は様々ですが、その基礎となる力は大体３つ、すなわち①「言語力」、②「想像力」、③「行動力」に分類できるように思います。

　まず、人が物事を考えるときに使うもの。それは、言葉です。したがって、①「言語力」は頭を使って考える上での根幹になります。全ての学習はもちろん、普段なされる会話や人に伝えることができるような文章を書く際に当然欠かすことはできません。この力こそが社会に出たときに最も必要とされる周囲との「コミュニケーション力」や、人前で自分の言いたいことを発表できる「プレゼンテーション力」につながるのです。

　次に、②「想像力」です。この力は勉強でも日常生活でも、自分なりに考え、判断していく力の基礎となるものです。入試で好成績をあげるために最も必要な力こそが「想像力」であるといっても過言ではありません。試験では出題者の意図を想像さえできれば解答できるからです。日常生活でも、自分に求められていること、自分の行動がどの様な結果となるのかを、「人から言われたから」ではなく、あくまで「自分で考えられる」ようになることがポイントです。この力は社会では「論理的思考力」や「問題解決力」、周囲への「気配り」ができる力につながります。

　そして、③「行動力」は自ら考えたことを実際に行動に移したり、様々なやり方で試したりしながら、それをやり抜くことの源となる力です。どんなに一所懸命考えて、素晴らしい計画を頭の中でイメージできたとしても、それを実際に行うことができなければ残念ながら意味はありません。そして、一度始めたことをどのような結果になろうともやり抜いてこそ、その行動が評価されることとなるのです。「行動力」は社会では「企画力」や「提案力」、「リーダーシップ」となって現れます。

　以上の自立に必要な３つの力を育てていく上で、受験勉強や塾での授業というのは非常に有効な手段です。今、正に時代の変化と共に大きく変わりつつある教育や入試を考えたときに、これらの３つの力というのは正に受験突破に必要な能力なのです。

　しかし、これらの３つの力を伸ばすという観点を講師が意識していなければ、受験勉強は却ってこの３つの力を弱めることになりかねません。例えば①講師が一方的に話すだけで生徒との対話がなされない授業、②闇雲に暗記を強要し、本質とは関係ないゴロ合わせなどを中心にすえた授業、③宿題を出すばかりでその宿題が何につながるかのモチベーションを与えない授業、などです。

　もちろん、こういった授業でも現状の入試に合格することは可能でしょう。しかし、日米が目指すところは単に「入試突破」だけではありません。その先にある学校生活や社会生活が生徒達にとって本当に充実したものとなり、それぞれに活躍して欲しいという思いがあるのです。「受験を通じて子ども達の自立を支援する」という目的を何としてでも果たしたいと考えています。

　これからも私達日米講師は生徒の皆さんの成績を上げ、志望校合格を目標とすることはもちろん、その先にある目的に向かって邁進してまいります。また、それぞれの「力」を伸ばしていく具体的な取組については、保護者会や個別面談などを通じてお伝えしていきます。お気付きの点、ご意見、ご質問などございましたらどうぞご遠慮なくお話し下さい。

　今月もよろしくお願い致します。