八千代の伝説~昔ばなし
■ 今の「すわり地蔵」を見に行こう! やちよ小町 の ツアーガイド
★ すわり地蔵 ★ 善福寺
「八千代の伝説マップ」
すわり地蔵に会いに行きました。
お話の舞台は、米本の「中宿」というところ。
まず目印は、バス停の「下宿」。
少し北に進むと五叉路の交差点「下宿交差点」があります。
一番右の道を右折します。
八千代市と印西市をつなぐ道で、車の往来が多いので、徒歩の際は車に注意してくださいネ。
右折後、70mくらい先の分かれ道を目指します。
墓地を過ぎると、大きな桜の木に守られた小さな祠(ほこら)が見えます。
桜はまるでお地蔵さまに供えられたお花のように祠を囲んで植わっています。
すわり地蔵は、赤い帽子をかぶり、赤い前掛けをつけて座っていらっしゃいました。
お花やお茶は、さっき置いたばかりのようにきれいなもの。
絶えず人がお参りし、お地蔵さまのお世話をしているのがわかります。
すわり地蔵は、300年以上も前から、村の素朴なお地蔵さんとして、人々の願いや思いに耳を傾けてくれているのですね。
そもそもお地蔵さんとは、どのような存在なのでしょうか?
わかっているような、いないような…
調べてみたら、仏教において如来(にょらい)に次ぐ菩薩という地位の「地蔵菩薩」であるということがわかりました。
大地で全ての命を育む力を蔵するように、苦悩する人々を無限の大慈悲の心で包み込み、救うところから名付けられたそうです。
最も立場の弱い人々を最優先で救済してくれるので、古来より絶大な信仰の対象となっています。
民間の信仰により仏教の中の菩薩としての存在から、人々の心の中で「頼れる超越者」に変身してきたようです。
一方、少し離れた場所、善福寺(浄土宗)にある、新しいお地蔵さんにも会いに行ってきました。
こちらは、まさに地蔵菩薩の風格を湛え、すっとした立ち姿で、本堂の奥の敷地に佇んでいらっしゃいます。
お寺の方のお話によると、白河石という福島県白河産の石で作られたもので、土台になっている四層の石は、一つの塊から掘り出し、その上に地蔵様本体がはめ込まれているということでした。
当時、大きな石を白河から米本まで運んでくる費用だけでも大変なことだったでしょう。
すわり地蔵の背中に回ることができないので、刀傷は、残念ながら見ることはできませんでした。
争いに負けて座ることになってしまった、すわり地蔵は、負けたことによって有名になりました。
やっぱり負けるが勝ちなのかもしれませんね・・・。
その昔、村の中で、古いお地蔵様と新しいお地蔵様を信仰する人々の間で争いがありましたが、約1万人が暮らす現在の米本では、もちろんそのようなことはなく、平和で静かな時間が流れています。
まいぷれ八千代編集部より
すわり地蔵のお話、いかがでしたか?
道端に佇む祠(ほこら)の中に約300年前のお話の主人公がいるとは、他市から引っ越してきた私のような人間には知る由もありませんでした。
真新しい帽子と前掛けをしたお地蔵さま。
今でもお供物がたえないのは、お地蔵さまがずっと見守ってくれているという地域の方々の安心感の現われなのでしょう。
「いつもそこで見守ってくれている」
分かち合ってくれる存在があるということは、心強いですよね。
小町さんのガイドを読んで、わたしもすわり地蔵に会いに行ってみようと思いました。
次回のおしらせ
第六話 「スイカの話」(村上)
スイカ売りのお話です
おたのしみに